休日診療所の昼休みに、20年のブランクを考えてわくわくしました

今日は休日診療所で、小児科担当として診療をしてきました。

休日診療所は、ほとんどの場合、内科と小児科の2人医師体制です。小児科担当が私。2人で診療していました。内科は患者さんがかなり多く、インフルエンザA型の方も多かったようです。小児科にも何人か来られましたが、幸い今日はそれほど混雑することなく診療を終えることができました。昨日までは大変だったようです。

休日診療所では、他科の先生と話をする機会があるので、少し楽しみです。普段クリニックで仕事をしていると、基本的に医師は私だけ。なので、他の分野・領域について、情報交換する機会がないのです。大学病院や市民病院で働いていると、外科や産婦人科の先生とも話をする機会があるのですけれどね。

今日ご一緒した内科の先生は、内分泌を専門にされている先生でした。

昼休みに聞いた、今の内科診療

昼休憩に少し時間があり、最近の診療についていろいろと話をしました。

たとえば、糖尿病。インターネットやSNSでは、やせ薬が有名ですけれど、それ以外にも、以前にはなかった薬やデバイスが次々と登場しているそうです。話を聞いていると、私が学生だった頃や研修医だった頃に習った診療とは、ずいぶん変わっていて、驚きました。以前は、1日7回、血糖測定して、そのデータを外来で確認していたけれど。今は、機械が自動的に血糖を測定していて、必要なインスリンを調節することもできるらしい。

医学部を卒業して、20年少し。研修していた頃がちょうど20年ほど前。「昔はこう習った」という知識が、自分の中では意外と強く残っています。

もちろん医学の基本的な部分は変わりません。しかし、検査の方法や薬、治療機器、考え方まで、10年、20年という単位で見るとかなり変化しています。

小児科も同じです

考えてみると、これは内科だけの話ではありません。

小児科でも、私が研修医だった頃と現在とでは、ずいぶん診療が変わりました。

はしか(麻疹)は、おそらく経験ゼロ。でも、細菌性髄膜炎は何人か診療しました。でも、今は、予防接種もよくなったので、細菌性髄膜炎はほとんど見かけないようになったのではないかなあ。喘息やアレルギーの治療、感染症の検査、予防接種など、日常的に診ている病気であっても、新しい薬や検査が登場し、以前とは考え方が変わったものがあります。内科の先生は、アトピー性皮膚炎の薬の多さ、RSウイルスワクチンについて、などは、驚かれていました。

毎日診療していると、その変化は少しずつなので気付きにくいのですが、他の診療科の先生と話してみると、「医療はずっと動いているんだな」とあらためて感じます。

医者になってからも勉強は続く

学生の頃は、医学部で勉強して国家試験に合格すれば、ひとまず安心。医学を身につけたような気持ちになります。すべての診療科の知識を網羅していたから。

でも実際には、その後のほうがずっと長い。追いつこうと思っても、医学が進歩するから、永久に追いつかないわけなのです。

10年前にはなかった治療が普通になり、以前なら当たり前だった薬は、あまり使わなくなることもあります。

だから、「昔こう習ったから」という理由だけで診療を続けてると危ないですよね。他科の知り合いや後輩がいる大学病院での勤務では、その点、気が楽でした。トレンドをいつでも聞くことができるので。

新しいものがすべて良いわけではないかもしれない。使うための適応が厳しいものもありますし。一方で、昔からやっているというだけで、それが今も最善とは限りません。ネフローゼ症候群とか、最近の論文を読んでいると、めちゃくちゃ変わってきててびっくりします。

新しい知識を知るのは、楽しいです。それまでの方法と比べるのも楽しいです。

休日診療所で、1時間程度の何気ない昼休みの会話。でも、驚きがたくさんあって、わくわくした一日でした。