夜尿症とは
これは、いわゆる「おねしょ」のことです。具体的には、「5歳を過ぎても」「1か月に1回以上の夜尿が」「3か月以上続く」状態を夜尿症と言います。
夜尿症は、珍しいものではありません。
夜尿症の頻度は、どのくらいでしょうか。女児よりも男児に多いです。就学前(5-6歳)で約20%と言われます。自然にその頻度は減っていきますが、小学校低学年で約10%、小学校5年生で約5%、中学校でも約1-3%で見られます。このように、学童期でもおねしょをするということは、珍しいことではないのです。
夜尿症でクリニックに相談に行くべきでしょうか?
夜尿症で医療機関を受診するというケースは、日本では全患者数全体の20%程度と言われています。受診をしない理由としては、ご本人だけでなく、保護者の方が恥ずかしがるということがあるようです。また受診をしたとしても医師から、「しばらく様子を見てから」とか、「夜尿症は病気ではない…」といったことから、積極的に治療しないということもあるようです。ちなみに欧州では、全体の8割程度の小児が夜尿症の治療を受けているという報告もあります。
先にも書きましたとおり、夜尿症の頻度は自然に減っていきます。つまり、自然に治っていくわけです。それでも受診して治療を受けるべきなのでしょうか。もし、医療機関で生活指導などの治療を受け始めると、自然に治るよりも2〜3倍、早く治ると言われています。
そして、夜尿症は、子どもの精神面(メンタルヘルス)にも悪影響を及ぼす可能性があります。自尊心が傷つく、朝から憂うつだ、不登校、家族との関係が悪くなる、などです。
また、夜尿症のある子どもは、大人になってからトイレが近い(切迫性尿失禁)などの症状が出る可能性も指摘されています。
このようなことから、「夜尿症は積極的に治療していこう」と、全世界で言われるようになってきています。
当クリニックの夜尿症の治療
当クリニックでは、夜尿症について、生まれつきの尿路疾患(腎臓、膀胱、尿道 等)の有無なども含めて、診察・検査・治療を行ってまいります。「そのうち治るかもしれないけれど・・・やはり気になる」という場合、一度当クリニックをご受診ください。一切遠慮されることはありません。最初は、ご家族の方だけで相談という形でも大丈夫です。ゆっくり話を聞かせてもらいます。1回に30分程度の時間をいただくこともありますし、何回かに分けて話を聞かせていただくこともあります。
もし、適切な治療が始まると、6か月程度で夜尿症の頻度は減っていきます。しかし、治療を中断・中止していく過程にも時間がかかりますので、最終的に良くなるまでには2年程度かかることが多いです。
なお、これまで他の医療機関で夜尿症の治療を受けたが改善できていない、日中の活動時にも尿を漏らしてしまう、と言った場合、治療にはより時間がかかることが多いです。もちろん、当クリニックではあらゆる可能性を考え、診断・治療に取り組んでまいります。しかしながら、より積極的な内服薬が必要と考えられる場合など、必要に応じて、提携している二次医療機関に紹介させていただくこともあります。(提携している医療機関は、初めての方へ・診療予約のご案内のページをご覧ください)当クリニックで完結できないこともありますので、ご了承ください。