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小児腎臓病・小児の泌尿器

はまこどもクリニック小児腎臓病について

夜尿症

小・中学生の慢性糸球体腎炎の頻度は0.05%前後と考えられていますが、その約70〜80%が学校検尿で発見されています。自覚症状があまり出てこない(無症状が多い)ため、学校検尿で血尿タンパク尿が検出されてはじめて腎臓病を疑われることも多いです。

腎臓の病気かも?このような症状に注意

無症状が多いと言いましたが、もちろん、症状が先に出て、その原因が腎臓病ではないか、と疑われることもあります。では、どういう症状が多いのでしょうか。その頻度は多くありませんが、腎臓病を疑う3つの症状をご紹介します。

浮腫(むくみ)

症状①

くつを脱いで、長い間乗り物(飛行機など)に乗っていて、気づけばくつが入らない・・・そういう経験ないでしょうか。このような症状を浮腫(むくみ)と言います。

このような浮腫が全身に出ている場合、腎臓病が原因かもしれません。

最近くつ下のあとがよく残る、体重が増えた、まぶたが重そう、こういった症状が気になれば、一度受診をおすすめいたします。

高血圧

症状②

血圧は少し上がったくらいでは症状がありません。しかし、もっと血圧が上がると、子どもは頭痛を訴えることが多いです。この高血圧、腎臓病が原因ということがあります。

子どもで多い溶連菌感染症。この溶連菌にかかったあと、まれに「急性腎炎症候群」を起こすことがあります。このとき、頭痛を訴えることが多いです。(浮腫や血尿も同時に見られることがあります。下の方で詳しく紹介します。)

尿毒症・成長障害

症状③

腎臓は、体のいらないもの、あまった水分、などを尿として体の外へ排泄しています。しかし、もし腎臓の働きが悪いと、いらないものが体に溜まりやすくなります。その結果、顔色が悪い、食欲低下、全身がかゆい、背が伸びない、など、さまざまな症状が出ることがあります。

尿検査で異常を指摘されたら

先に書きましたような症状は、あまり多くありません。それよりも「学校検尿で血尿を指摘された」「タンパク尿、毎年ひっかかる」といったケースが多いと思います。特に健康で体調も悪くないけれど、尿検査でひっかかった(異常を指摘された)とき、どのように考えればよいのでしょうか。

血尿

検査異常①

学校検尿で血尿を指摘された。尿を見ても、血が出ている感じはない。でも病院に行くと、血尿があると言われた。こういう血尿を「顕微鏡的血尿」と呼びます。見た目(肉眼)では血(具体的には、赤血球)が出ていないけれど、顕微鏡でのぞくと血が出ている状態です。

まず、本当に異常があるのが「血尿」だけなのか、評価が必要です。腎機能が悪いかもしれませんし、タンパク尿も出ているのかもしれません。また、アルポート症候群 (Alport症候群) という遺伝性の病気の可能性もあります。まずは、一度受診していただくことをおすすめします。

最終的に、血尿だけの異常の場合、経過観察で良いことが多いです。

タンパク尿

検査異常②

タンパク尿も、学校検尿で見つかりやすい項目の一つです。タンパク尿は、腎臓が悪くなり始めると出てくる、と言われています。ただし、小児では、腎臓の病気とは関係なくタンパク尿が出ていることもあります。見つかったタンパク尿が、本当に腎臓の病気で出ているものなのか、調べる必要があります。そのため、症状がなくても、タンパク尿を指摘されたときは、受診をおすすめします。

タンパク尿が続く場合、腎臓の病気(慢性腎臓病)の検査・治療が必要になることもあります。必要に応じて、提携している二次医療機関に紹介させていただくこともあります。(提携している医療機関は、初めての方へ・診療予約のご案内のページをご覧ください)当クリニックで完結できないこともありますので、ご了承ください。

糖尿

検査異常③

糖尿も学校検尿で指摘されやすい項目の一つです。糖尿と聞くと、「もしかして、糖尿病にかかった?」と不安になるかもしれませんが、そういうケースはまれです。腎性糖尿といって、経過観察だけで良いことが多いですが、それも、検査をしてから分かる話。まずは、一度受診していただき、血液検査で血糖が高くないか、などの検査をおすすめします。

白血球尿

検査異常④

白血球尿は、ここまでの検査と異なり、無症状で指摘されることはあまりないかもしれません。「熱が出たので、尿を調べてもらったら白血球が多いと言われた」というケースが多いです。白血球尿の原因は、ほとんどが「尿路感染症」です。抗生剤の治療など、場合によっては入院治療が必要になります。

よく見られる腎臓の病気

溶連菌感染後急性糸球体腎炎(ようれんきんかんせんご きゅうせいしきゅうたいじんえん)

疾患①

「発熱、のどが痛い、などがきっかけで病院を受診し、のどの検査で溶連菌(ようれんきん)にかかっている、 と言われた」・・・このような「溶連菌感染症」は、小児でよく見られる疾患の一つです。溶連菌感染を指摘されたとき、抗生剤を飲むように言われ、検尿を持ってくるように言われたことはありませんか。実は、溶連菌にかかって2週間くらいしてから、浮腫、高血圧、血尿、などの「急性腎炎症候群」を起こすことがあります。

ネフローゼ症候群

疾患②

「なんだか、最近、体重が増えたかも。くつ下のサイズが合わないって言っている」こういうとき、大量のタンパク尿が出ているかもしれません。浮腫がきっかけで見つかる代表が、ネフローゼ症候群です。

ネフローゼ症候群にも多くの種類がありますが、小児で多いのは、ステロイド治療でよくなるネフローゼ症候群(ステロイド反応性ネフローゼ症候群)です。しかしながら、本当に「ステロイド反応性ネフローゼ症候群」なのか、治療の前に検査が必要です。ネフローゼ症候群は、入院治療を要しますので、二次医療機関に紹介させていただきます。

IgA腎症(アイジーエーじんしょう)

疾患③

末期腎不全、透析、このような言葉を聞かれたことはありませんか。腎機能が悪くなった状態を言います。IgA腎症は、この末期腎不全の原因として非常に重要な疾患であることが分かっています。 IgA腎症の多くは、無症状の段階で、学校検尿や職場健診などの検尿異常で見つかっています。したがって、検尿異常を指摘されたときは、病院受診をおすすめします。

IgA腎症が疑われても、初期の段階では、すぐに治療が必要になるわけではありません。血液検査や尿検査を定期的に行いながら管理させていただきます。しかし、尿検査が悪くなる、血液検査で腎機能が悪化する、などがあれば、精密検査や治療が必要になります。大阪母子医療センターや和歌山県立医科大学などの三次医療機関と連携をとり、適切なタイミングで、紹介させていただきます。小児期のIgA腎症は、適切な治療により、ほとんど腎機能障害を起こさずに良くなると言われています。

尿路感染症

疾患④

小児の発熱の原因として、重要な疾患です。抗生剤による治療で改善することが多いです。問題は、尿路感染症を繰り返すときや、尿路感染症が重症だったときです。このような場合、腎臓や膀胱(ぼうこう)に、生まれつきの異常(先天性腎尿路異常: CAKUT)が隠れているのではないか、と考える必要があります。小児科、泌尿器科と連携して、詳しい検査をしたほうが良いかもしれません。二次医療機関での精査をおすすめさせていただくことがあります。

先天性腎尿路異常 (CAKUT)

疾患⑤

生まれつき、腎臓や膀胱(ぼうこう)の形に異常がある状態を言います。たとえば、腎臓の大きさが少し小さい、よく尿路感染症を起こす、 背が低い、などがきっかけとなって、見つかることが多いです。尿検査で異常があることもないこともあります。腹部エコーで偶然見つかることもあります。腎機能やタンパク尿、血圧を定期的に管理したり、腎機能低下を防ぐ内服治療が必要になったりします。遺伝性の疾患が隠れている可能性もあり、場合によっては、二次医療機関での精査をおすすめさせていただくことがあります。

これらのほか、おちんちんの先が痛い(亀頭包皮炎)や、頻尿、夜尿、など、さまざまな症状があります。当クリニックでは、これらの検査・診断・治療に取り組んでおります。

はまこどもクリニック hama kids clinic 小児科

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