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小児科の感染症

はまこどもクリニック感染症について

感染症

一般的な発熱・のどの痛み・鼻水などのかぜをはじめ、インフルエンザ、肺炎、気管支炎、胃腸炎などの感染症などお子様がかかりやすい感染症の診断と治療を行っております。
お子さまの症状で熱・咳・鼻水・下痢・嘔吐がある場合は感染症の可能性が疑われますのでお早目にご来院ください。

感染症が疑われる患者様へ

隔離が必要な感染症(おたふくかぜ・水ぼうそう・はしか・インフルエンザ・新型コロナウイルスなど)の疑いのある患者様は事前に受付でご相談お願い致します。ホームページから予約する場合、コメント入力する欄があります。病状の相談に利用できますので、ご活用ください。病状に応じて個室を準備いたします。医師が診察にまいりますので、個室でそのままお待ちいただけます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 

特徴 2019年12月、中国で確認されて以降、世界に広がった。
病原体 SARSコロナウイルス2
潜伏期間 1-14日
感染経路 飛沫感染、接触感染。
症状 熱、咳が多い。小児では軽症・自然に治りやすい。
診断方法 鼻咽頭ぬぐい液を用いた迅速検査やPCR
治療法 レムデシビル、デキサメタゾン、など。
予防法 手洗いやマスクの着用など。
登校(園)基準

インフルエンザ

特徴 爆発的に広がる感染症。合併症として肺炎や脳症など。
病原体 インフルエンザウイルスA型、B型
潜伏期間 1-4日
感染経路 咳、鼻汁からの飛沫感染。
症状 発熱、頭痛、など、さまざま。
診断方法 鼻咽頭拭い液を用いた迅速診断キット
治療法 抗ウイルス薬
予防法 手洗い、ワクチン、など
登校(園)基準 発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで。幼児においては、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過するまで、出席停止。

百日咳

特徴 コンコンと咳こんだ後、ヒューという笛のような音を立てて息を吸う咳が特徴。
乳児では、無呼吸発作、肺炎、中耳炎などの合併症が多い。
病原体 百日咳菌
潜伏期間 7-10日
感染経路 飛沫感染、接触感染。
症状 咳。年齢が低いほど症状は重い。
診断方法 鼻腔拭い液によるDNA検出法
治療法 抗菌薬
予防法 定期の予防接種。
登校(園)基準 特有な咳が消失するまで。または、5日間の抗菌薬治療が終了するまでは出席停止。

麻疹(はしか)

特徴 発熱、咳、鼻水や、発疹が出る感染力の強い疾患。
肺炎、中耳炎などを合併することもある。
病原体 麻疹ウイルス
潜伏期間 8-12日
感染経路 空気感染、飛沫感染、接触感染。
症状 発熱とともに目の充血、めやにが多くなり、咳、鼻汁が見られる。
熱は、いったん下がりかけ、再び高熱が出てきた時に発疹が出る。
通常、7-9日で回復する。
診断方法 症状で診断する。
ほか、PCR検査や血液検査(抗体検査)。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 2006年度から麻しん風しん混合(MR)ワクチンの2回接種が開始。
登校(園)基準 発疹に伴う発熱が解熱した後、3日を経過するまでは出席停止。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

特徴 耳下腺が急にはれる。無菌性髄膜炎の合併、難聴の原因として注意。
成人でかかると、精巣炎、卵巣炎などの合併がある。
病原体 ムンプスウイルス
潜伏期間 16-18日
感染経路 感染しやすい期間は、耳下腺がはれる1-2日前から、はれた後5日ころまで。
症状 耳下腺や顎下腺がはれる。2-3日でピークに達し、7-10日で消える。
痛みを伴い、すっぱいものを飲食すると痛みが強くなる。
診断方法 症状で診断する。確定するには血液検査が必要。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 2回の予防接種を推奨。ただし、日本では任意接種になっている。
登校(園)基準 耳下腺や顎下腺のはれが出た後5日を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで出席停止。

風疹

特徴 発疹、発熱、リンパ節のはれ、が特徴。
妊娠20週ころまでにかかると、生まれてくる児に「先天性風疹症候群」と呼ばれる先天異常が生じやすい。
病原体 風疹ウイルス
潜伏期間 16-18日
感染経路 飛沫感染、接触感染、母子感染(胎内感染)。
症状 発熱の数日後に発疹が出やすい。発熱は軽度で、気付かないこともある。
妊婦の感染により、胎児が、耳、眼、心臓の異常や精神運動発達遅滞を伴う先天性風疹症候群を発症することがある。
診断方法 症状で診断する。
確定するには、PCR検査や血液検査(抗体検査)。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 2006年度から麻しん風しん混合(MR)ワクチンの2回接種が開始。
登校(園)基準 発疹が消失するまで出席停止。

水痘(みずぼうそう)

特徴 赤い発疹から始まり、水疱、かさぶた、の順に進行する。伝染性の強い感染症。
肺炎、脳炎、などを合併することもある。
病原体 水痘・帯状疱疹ウイルス
はじめての感染では水痘の症状を示す。その後、小さな水疱が生じる帯状疱疹として再び発症することがある。
潜伏期間 14-16日
感染経路 空気感染、飛沫感染、接触感染、母子感染(胎内感染)。
水疱の中にウイルスが存在するが、かさぶたの中にウイルスはいない。
症状 発疹は、体と首、顔にできやすい。
白血病や免疫抑制治療を受けている児、成人、とくに妊婦の感染は、重症化しやすい。
妊娠初期の感染によって、胎児に先天性水痘症候群という先天異常をおこし、新生児に重症水痘が生じることもある。
診断方法 症状で診断する。
確定のためには血液検査が必要。
治療法 抗ウイルス薬
予防法 2014年10月より、1歳以上3歳未満児に対してワクチンが定期接種となった。
登校(園)基準 すべての発疹が、かさぶたになるまで出席停止。

咽頭結膜熱

特徴 発熱、結膜炎、咽頭炎が主な症状。
プールを介して流行することが多いので「プール熱」とも呼ばれる。
病原体 アデノウイルス
潜伏期間 2-14日
感染経路 接触感染、飛沫感染。
プールでの感染もある。
夏に多い。
症状 高熱、咽頭痛、頭痛、食欲不振を訴える。これらの症状が、3-7日間続く。
のどの発赤、首のリンパ節のはれを認めることもある。
診断方法 アデノウイルス抗原の迅速診断キットがある。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 手洗い。
プール前後のシャワー、タオルを共用しないことも大切。
登校(園)基準 症状が治まり、2日を経過するまで出席停止。

結核

特徴 呼吸器に病変をおこしやすい。乳幼児では家族内感染が多い。
日本は、患者が多数発生している国である。(約18,000人/年)
病原体 結核菌
潜伏期間 6か月以内が多い。数十年経って、発症することもある。
感染経路 空気感染
症状 結核菌を吸って、肺に定着する。初期は無症状。発熱、咳、疲れやすい、など、症状がはっきりせず結核と気付かれにくい。
その後、病変が進行して菌が全身に回ると粟粒結核となる。発熱、咳、呼吸困難、などが認められる。乳幼児に多い。
定着した肺からほかの肺に広がると、二次結核となる。思春期以降や成人に多い。疲れやすい、微熱、咳などの症状がでる。
診断方法 ツベルクリン反応や、胸部レントゲン検査、菌の培養やPCR検査などがある。
治療法 抗結核薬
予防法 定期接種のBCGワクチンは、乳児の重症化予防に有用。
登校(園)基準 医師から感染のおそれがないと認められるまで出席停止。

腸管出血性大腸菌感染症

特徴 ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌による感染症。
まったく症状のない人から、腹痛や血便を呈す人までさまざま。
6-7%は、溶血性尿毒症症候群や脳症を併発し、死に至ることもある。
病原体 腸管出血性大腸菌(O157、O26、O111など)。
潜伏期間 10時間から6日
感染経路 生肉などの飲食物からの経口感染、接触感染。
夏に多い。
症状 無症状の場合もあるが、下痢、腹痛、血便などがある。
意識障害などを起こす溶血性尿毒症症候群を合併することがある。
診断方法 便の細菌培養、ベロ毒素(または遺伝子)の検出。
治療法 下痢、腹痛、脱水に対して、水分補給、補液など。
下痢止め薬は、使用しない。
抗菌薬は時に症状を悪化させることもあり、慎重に使う。
予防法 手洗い、トイレなどの消毒、食品を加熱しよく洗う、などが大切。
子どもでは、生肉・生レバーを控える。肉は、中まで火が通るまで調理する。
登校(園)基準 症状がある場合、医師において感染のおそれがないと認められるまで出席停止。
無症状で5歳以上の子どもは、出席停止の必要はない。
5歳未満の子どもでは、2回以上連続で便培養が陰性になれば登校(園)可能。

流行性角結膜炎

特徴 角膜炎と結膜炎が合併する眼の伝染病。
学校のプールで感染しやすい。
病原体 アデノウイルス
潜伏期間 2-14日
感染経路 プール水、タオルなどを介して接触感染。
症状 まぶたがはれる、異物感、めやに、など。
診断方法 アデノウイルス抗原の迅速診断キットがある。
治療法 多くは自然に軽快する。
予防法 手洗い、プール前後のシャワー、タオルの共有はしない、などの一般的な予防法が大切。
登校(園)基準 結膜炎の症状が消失していれば、登校(園)可

溶連菌感染症

特徴 扁桃炎などの上気道感染症、皮膚感染症、熱など、いろいろな症状を起こす。
発症数週間後に、リウマチ熱、腎炎をおこすことがある。
病原体 A群溶血性連鎖球菌
潜伏期間 2-5日
感染経路 飛沫感染、接触感染。
症状 発熱、咽頭痛、扁桃のはれ、など。
診断方法 抗原の迅速診断キットがある。
治療法 抗菌薬
予防法 手洗いなどの一般的な予防が大切。
登校(園)基準 適切な抗菌薬による治療開始後24時間以内に感染力はなくなる。それ以降、登校(園)可能。

B型肝炎

特徴 血液や体液を介して感染する肝炎。
輸血用血液のスクリーニング検査や、B型肝炎ウイルスキャリアの母親から出生した児に対する予防処置の普及によって発生数は減少。
家族内や集団保育の場での水平感染、思春期以降の性感染、も原因。
病原体 B型肝炎ウイルス (HBV)
潜伏期間 約90日
感染経路 HBVキャリアからの垂直感染(母子感染)、歯ブラシやカミソリの共用に伴う水平感染、血液・体液感染(性感染)。
血液以外の体液も感染源となりうる。
症状 ・乳幼児期の感染は、症状なく経過しやすい。結果、持続感染(HBVキャリア)に移行しやすい。
急性肝炎を発症した場合は倦怠感・発熱・黄疸などがみられる。
急性肝炎の多くは治癒するが、10-15%は慢性肝炎、肝硬変、肝癌へ進行する。
診断方法 血液検査(抗原・抗体検査、ウイルス量検査)。
治療法 急性肝炎の場合は対症療法。
慢性肝炎では、抗ウイルス薬やインターフェロン療法など。
予防法 HBVキャリアの母から出生した新生児は、出生直後より免疫グロブリンとワクチンを用いてB型肝炎を予防する。
家族内などでは、歯ブラシ・カミソリの共用を避ける。
2016年、乳児を対象としてワクチンの定期接種が始まった。
登校(園)基準 急性肝炎の急性期でない限り、登校(園)は可能。

C型肝炎

特徴 血液や体液を介して感染する肝炎。
分娩時に妊婦から、子どもに感染する可能性がある。
病原体 C型肝炎ウイルス (HCV)
潜伏期間 6-7週
感染経路 HCV感染者からの血液・体液感染(性感染)、母子感染。
症状 子どもの多くは無症状。ただし、慢性化しやすい。
診断方法 血液検査(抗体検査、ウイルス量検査)。
治療法 抗ウイルス薬やインターフェロン療法など。
予防法 家庭内などでは、歯ブラシ・カミソリの共用を避ける。
登校(園)基準 急性肝炎の急性期でない限り、登校(園)は可能である。

手足口病

特徴 口の中、手足に、水疱性発疹を生じる疾患。毎年のように流行する。
病原体 コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、など。
潜伏期間 3-6日
感染経路 経口感染、飛沫感染、接触感染。
夏に多い。
症状 口の中に痛みを伴う水疱ができ、手足やおしりに水疱がみられる。
熱はあまり高くならず、1-3日で解熱する。
診断方法 症状で診断する。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 手洗いやマスクの着用など。
登校(園)基準 発熱がなく、全身状態が安定していれば、登校(園)可能。

ヘルパンギーナ

特徴 のど、口の中に水疱ができる。
乳幼児に多く見られる、夏かぜの代表的な疾患。
病原体 コクサッキーウイルス
潜伏期間 3-6日
感染経路 経口感染、飛沫感染、接触感染。
春から夏に多い。ピークは7月ごろ。
症状 発熱、のどの痛み。
のどに赤い発疹、水疱ができる。
診断方法 症状で診断する。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 手洗いやマスクの着用など。
登校(園)基準 発熱がなく、全身状態が安定していれば、登校(園)可能。

伝染性紅斑(りんご病)

特徴 かぜの症状後に、顔や頬に少しもり上がった紅い発疹がみられる。その状態からりんご病とも呼ばれる。
病原体 ヒトパルボウイルス
潜伏期間 4-14日
感染経路 飛沫感染、母子感染(胎内感染)。
成人では感染していることに気付かないことも多い
症状 かぜの症状と引き続きみられる顔の紅い発疹が特徴的。
発疹は両側の頬と手足に、網目状に出現。いったん消失しても再発しやすい。
貧血を合併することがある。
妊婦が感染した場合、流産、死産にいたることもある。
診断方法 症状で診断する。
確定には血液検査(抗体検査)が必要だが、保険適応は妊婦のみ。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 妊婦の感染を防ぐため、発症者がでた場合は、適切に知らせる必要がある。
登校(園)基準 発疹のみで全身状態のよい者は登校(園)可能。

ロタウイルス感染症

特徴 嘔吐・下痢症を呈する腸管感染症。
病原体 ロタウイルス
潜伏期間 1-3日
感染経路 経口感染、接触感染、飛沫感染。
冬から春に多い。
症状 嘔吐と下痢、脱水が主な症状。時に下痢便が白くなることもある。
多くは、2-7日で治る。
まれにけいれんが見られる。
診断方法 便を用いた抗原迅速診断キットがある。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 アルコール消毒は効きにくい。石鹸での手洗いが有効。
2020年より、経口生ワクチンが定期接種となった。
嘔吐物や下痢のついた衣類は、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで消毒。
登校(園)基準 下痢、嘔吐症状が消失し、全身状態のよい者は登校(園)可能。

ノロウイルス感染症

特徴 嘔吐・下痢症を呈する腸管感染症。
病原体 ノロウイルス
潜伏期間 12-48時間
感染経路 経口感染、接触感染、飛沫感染。
二枚貝などの食品を介しての感染例もある。
乾燥した吐物からは空気感染もありうる。
秋から春に多い。
症状 嘔吐と下痢、脱水が主な症状。
診断方法 便を用いた抗原迅速診断キットがある。保険適応は3歳未満まで。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 アルコール消毒は効きにくい。石鹸での手洗いが有効。
食器などは、加熱または、0.02%次亜塩素酸ナトリウムで洗浄。
食品は加熱が有効。
嘔吐物や下痢のついた衣類は、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで消毒。
登校(園)基準 下痢、嘔吐症状が消失し、全身状態のよい者は登校(園)可能。

サルモネラ感染症

特徴 食中毒による腸炎の原因。
病原体 サルモネラ菌
潜伏期間 12-36時間
感染経路 ミドリガメなどの爬虫類を触ったあと、付着したサルモネラ菌が口に入る経口感染。
汚染された生卵やその食肉(牛、鶏など)からの経口感染。
症状 下痢、嘔吐のほか、血便や発熱。
診断方法 便の細菌培養。
治療法 脱水に対し点滴など。
全身状態が悪い場合、抗菌薬を使うことあり。
下痢止めは使用しない。
予防法 手洗い、調理器具の洗浄、食品の加熱など。
登校(園)基準 下痢が消失すれば、登校(園)可能。

カンピロバクター感染症

特徴 食中毒による腸炎の原因。
病原体 カンピロバクター菌
潜伏期間 2-5日
感染経路 汚染された鶏肉や鶏卵、牛肉などからの経口感染。
症状 下痢、嘔吐のほか、血便や発熱。
発症数週間後にギラン・バレー症候群(神経障害)を併発することあり。
診断方法 便の細菌培養
治療法 脱水に対し点滴など。
全身状態が悪い場合、抗菌薬を使うことあり。
下痢止めは使用しない。
予防法 手洗い、調理器具の洗浄、食品の加熱など。
登校(園)基準 下痢が消失すれば、登校(園)可能。

肺炎マイコプラズマ感染症

特徴 咳を主症状とし、学童期以降の肺炎の代表。
病原体 肺炎マイコプラズマ
潜伏期間 2-3週間
感染経路 飛沫感染。
夏から秋に多い。
症状 咳、発熱、頭痛などのかぜ症状がゆっくり進行。
咳は徐々に激しくなる。
中耳炎や発疹を伴うこともある。
診断方法 血液検査(抗体検査)
咽頭ぬぐい液によるDNA、抗原検査。
治療法 抗菌薬。
予防法 手洗いやマスクの着用など。
登校(園)基準 発熱や激しい咳が治まり、全身状態が良くなれば登校(園)可能。

肺炎クラミジア感染症

特徴 慢性の咳や、肺炎、気管支炎の原因。
病原体 肺炎クラミジア
潜伏期間 21日
感染経路 飛沫感染。
症状 長引く咳。
診断方法 血液検査(抗体検査)。
治療法 抗菌薬。
予防法 手洗いやマスクの着用など。
登校(園)基準 症状が治まり、全身状態が良くなれば登校(園)可能。

インフルエンザ菌b型感染症

特徴 生後3か月から5歳までの細菌性髄膜炎、敗血症(全身の状態が悪くなる)、喉頭蓋炎の代表。
病原体 インフルエンザ菌b型 (Hib)
潜伏期間 不明
感染経路 飛沫感染。
症状 ワクチン導入前の日本では、Hib髄膜炎の発症は年間約600人(約2%が死亡、約15%が後遺症)。
診断方法 血液や髄液の細菌培養。
治療法 抗菌薬。
予防法 日本を含む多くの国でHibワクチンが導入され、髄膜炎などは激減した。
登校(園)基準 全身状態が良くなれば登校(園)可能。

肺炎球菌感染症

特徴 細菌性髄膜炎、敗血症、肺炎、中耳炎などの代表的な起炎菌。
病原体 肺炎球菌
潜伏期間 1-3日
感染経路 飛沫感染。
1歳児の30-50%は、鼻の中に保菌している。
症状 気管支炎、肺炎、中耳炎、髄膜炎、敗血症。
ワクチン導入前の日本では、肺炎球菌髄膜炎の発症は年間約200人(約6%が死亡、約30%が後遺症)。
診断方法 血液や髄液の細菌培養。
治療法 抗菌薬。
予防法 日本を含む多くの国で、肺炎球菌結合型ワクチンが導入され、髄膜炎などは激減した。
2014年から、65歳以上の成人に対してもワクチン定期接種化された。
登校(園)基準 症状が治まり、全身状態が良くなれば登校(園)可能。

RSウイルス感染症

特徴 夏から冬に多い。
主に乳幼児が感染し、呼吸困難を起こす。
病原体 RSウイルス
潜伏期間 4-6日
感染経路 接触感染、飛沫感染。
症状 発熱、鼻汁、咳嗽、喘鳴。
年長児は、軽いかぜ症状のことが多い。
乳児早期に感染すると、人工呼吸が必要なほど重症化することもある。
診断方法 乳児や入院患児には、抗原迅速診断キットが可能。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 重症化リスクが高い早産児や先天性心疾患のある乳幼児は、予防の注射を接種できる。
登校(園)基準 症状が治まり、全身状態が良くなれば登校(園)可能。

ヒトメタニューモウイルス感染症

特徴 冬から春に多い。
RSウイルスと同じく、乳児の急性細気管支炎や肺炎の原因。
病原体 ヒトメタニューモウイルス
潜伏期間 3-5日
感染経路 接触感染、飛沫感染。
症状 咳嗽、喘鳴。
乳児に感染すると、急性細気管支炎や肺炎となり、重症化することもある。
診断方法 抗原の迅速診断キットがある。6歳未満で保険適応。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 手洗いやマスクの着用など。
登校(園)基準 症状が治まり、全身状態が良くなれば登校(園)可能。

EBウイルス感染症

特徴 乳幼児では感染しても気付かれないことも多い(不顕性感染)。
伝染性単核球症の原因。
しかし、致死的なこともある。
病原体 EBウイルス
潜伏期間 30-50日
感染経路 キスなど唾液や体液を介して感染(濃厚接触による飛沫感染)。
症状 多くは無症状か、軽いかぜ。
発熱持続、リンパ節腫大、扁桃炎、肝炎を起こすことがある(伝染性単核球症)。
まれに発熱が持続する慢性活動性EBウイルス感染症など。
診断方法 血液検査(抗体検査)。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 予防しにくい(知らない間に感染していることが多い)
登校(園)基準 全身状態が良くなれば登校(園)可能。

単純ヘルペスウイルス感染症

特徴 歯肉口内炎、性器ヘルペス、などを起こす。
軽症から重症までさまざま。
病原体 単純ヘルペスウイルス
潜伏期間 2-14日
感染経路 水疱内にあるウイルスの接触感染。
新生児では産道感染(母子感染)。
症状 乳児期以降の初感染の場合、歯肉口内炎(4-5日間の発熱、歯肉がはれる、口内炎)を起こすことがある。
アトピー性皮膚炎を持つ児では、カポジ水痘様発疹症(全身に水疱が多発)を起こすことがある。
新生児では産道感染後、高熱、けいれん、意識障害などを起こすことがある。
性器ヘルペスでは、水疱や潰瘍を生じる。
ウイルスは生涯にわたり潜伏感染している。再燃すると、口唇ヘルペスや性器ヘルペスとなることがある。
診断方法 血液検査(抗体検査)。
治療法 抗ウイルス薬
予防法 水疱を触らない、など
登校(園)基準 全身状態が良くなれば登校(園)可能。

帯状疱疹

特徴 水痘にかかったことのある人が、免疫状態が低下するとウイルスが再活性化し、発症。
病原体 水痘・帯状疱疹ウイルス
潜伏期間 不明。
感染経路 水疱内にあるウイルスの接触感染。
症状 小さな水疱が帯状に現れる。体の片側に出る。痛みをともなう。
診断方法 症状で診断する。迅速診断キットもある。
治療法 抗ウイルス薬
予防法 水痘ワクチンは帯状疱疹の予防になる。水痘にかかる前に、予防接種を勧める。
登校(園)基準 病変部を適切に覆っていれば、登校(園)可能。

日本脳炎

特徴 かつてワクチンの副反応が疑われ、積極的勧奨が控えられていた。
2010年から積極的勧奨が再開。
病原体 日本脳炎ウイルス
潜伏期間 6-16日
感染経路 ウイルス感染している豚を刺した蚊に人が刺されることで感染。
症状 数百人に1人が発症し、発熱、頭痛、けいれん、意識障害を来たす。
発症例の20%は死亡、30%は後遺症を残す。
診断方法 髄液や血液検査(抗体検査)
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 流行地では早期の予防接種が推奨
長袖、長ズボンを着用する、虫除け剤を使用する、など、蚊にさされない手段を取る。
登校(園)基準 全身状態が良くなれば登校(園)可能。

突発性発疹

特徴 ヘルペスウイルスの初感染で生じ、高熱が続いた後、解熱とともに発疹がでる。
病原体 ヒトヘルペスウイルス
潜伏期間 10日
感染経路 無症状の家族、濃厚接触者などの唾液にいるウイルスで感染。
症状 発熱が3-7日続いた後、解熱とともに発疹が出現。
発疹は数日で消失。けいれん、脳症を起こすこともある。
診断方法 症状で診断する。
治療法 有効な薬はない。対症療法を行う。
予防法 予防しにくい(知らない間に感染していることが多い)。
登校(園)基準 全身状態が良くなれば登校(園)可能。

伝染性軟属腫(水いぼ)

特徴 幼児期によく見られる皮膚疾患。
いぼが、体や手足にできる。
病原体 伝染性軟属腫ウイルス
潜伏期間 2-7週
感染経路 いぼの内容物が感染源。接触により直接感染する。
症状 いぼ以外の症状はほとんどない。
いぼをひっかくことで感染を広げ、広がりやすい。
自然に治るが、1年程度かかることがある。
診断方法 症状で診断する。
治療法 自然に治る。
感染を広げないために、ピンセットでの摘出や液体窒素での除去などの治療方法もある。
予防法 病変部を衣類やばんそうこうなどで覆う。
登校(園)基準 制限なし。

伝染性膿痂疹(とびひ)

特徴 発疹、水疱、ができる疾患。
病原体 黄色ブドウ球菌や溶連菌
潜伏期間 2-10日
感染経路 接触感染。
症状 水疱が破れて、かさぶたをつくる。かゆみを伴う。
診断方法 症状で診断する。
治療法 皮膚を清潔にする。
外用薬や抗菌薬が必要となることもある。
予防法 皮膚を清潔に保つ。
登校(園)基準 制限なし。
はまこどもクリニック hama kids clinic 小児科

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