夜尿症のよくある質問
- Q1.
夜尿症は、遺伝するのでしょうか。
- A1.
夜尿症は、家族で見られることが多いです。
解説
夜尿症の原因遺伝子は見つかっていません。しかしながら、家族の誰かが夜尿症の場合、子どもにも夜尿症が見られやすいです。両親のいずれかが夜尿症であった場合、子どもが夜尿症になる可能性は5倍以上と言われます。もし、両親とも夜尿症なら10倍以上になります。
- Q2.
夜、起こしてトイレに行かせるべきでしょうか。
- A2.
夜に起こす必要はありません。
解説
子どもが寝ているなら、起こさないでください。寝ている間、体は「尿を濃くする(尿の量を減らす)ホルモン(抗利尿ホルモンといいます)」を作っています。そのため、もし寝ているのに起こしてしまうと、寝ている間の尿の量が増えてしまう可能性があります。
- Q3.
実際の治療は、どのような感じで進むのでしょうか。
- A3.
まずは、話を聞いて、生活指導を行います。
解説
話を聞くこと(問診)に、時間をかけます。夜尿症の原因には、いろんな可能性があるからです。尿検査は何回か行います。また、血液検査や腹部エコーも考慮します。次に、日々の生活で気になるところを見つけ、生活指導を行っていきます。ここまでで、1-2か月かかります。内服薬やアラーム療法などの積極的治療は、その後に考えていきます。
- Q4.
親が気にしておくことはありますか。
- A4.
焦らないこと、子どもを怒らないこと、です。
解説
夜尿症は、小中学生でも、大人になってからでも、一定数見られます。「うちの子どもだけおねしょが治らないのでは?」と焦らないことが大切です。親が焦ってしまうと、子どもも知らず知らず焦ってしまい、その結果、子どもの精神的ストレス、自尊心の低下、につながってしまう可能性があります。
朝の忙しい時間に、夜尿の処理(ふとんの後片付けなど)に時間がかかり、つい、子どもを怒ってしまうかもしれません。しかし、子どもも夜尿症をしたくてやっているわけではありません。
焦らず、怒らず、です。もし不安になられましたら、相談におこしください。ご両親のストレスを解消することも、われわれ医療従事者に求められていること、と考えております。