診療以外で、開業医は何をしているの?

先日の土曜日。診療は午前で終了。診療の後かたづけが終わったあと、そのまま事務仕事をしていました。
領収書とか請求書を整理して、国から届く書類を埋めて、学会や医師会から届くアンケートに回答。
大阪府から届くメールにログインして申請書や報告書の作成。必要な書類をスキャンして名前をつけて保存して、銀行関係のデータを確認して、クレジットカードの明細をチェックして……。
気がつけば夜の7時になってました。
「今日は、事務仕事、がんばった」と思いながら帰りました。この事務仕事が、大変です。
開業医には「診療ではない仕事」がたくさんあります
勤務医だったころにも、もちろん書類の仕事はありました。特に大学にいた頃は多かったです。
主に研究をしていたので、患者さんの診断書を書く、とか、紹介状の返書や、退院サマリーを書く、といった仕事はあまりなかったです。
それよりは、報告書関連が多かったです。プロジェクトの進捗状況の報告、とか。
この仕事をしていると、昔から書類関連の仕事がたくさんあります。ただ、開業してから増えたのは、実際の診療とは少し違った仕事です。
勤務医だった頃。書類の仕事の内容は、主に医療や研究に関連するものが多かったです。ロジックを組み立てて作る感じの書類でした。本を作るような感じです。
たとえば、「はじめに、これまでの歴史、今回の内容、今後の見通し、謝辞」といった感じの構成。
ところが、開業医になってから増えたのは、ちょっと違います。
まずは、経理の話。
たとえば、毎月の領収書や請求書を整理する。銀行の口座を確認して、支出と収入を確認する。クレジットカードの明細を確認する。職員の給与や勤務時間、残業、有給休暇を管理する。
ほか、国や大阪府との連携の仕事。
申請する書類がものすごく多いです。電子カルテ導入しなさい、との報告が来る、補助金を少しもらうために、規定の用紙を作成して、ホームページに登録する。買ったものは見積書や領収書などをきちんと添付する。そのあと、審査があってから(だいたい数か月後の忘れた頃)報告書をさらに登録する、といった作業。
小さな仕事で言うと、熊取町や泉佐野市との打ち合わせ、会議への参加、など。
学会や医師会からは、選挙の話とか、アンケートととか。
これらの仕事は、私の中では、最新医学の話ではないので、まとめて雑用。なんですけれど、これがとても大変です。あまり楽しくない、業務的なものも多いし、進めたくても専門用語が多すぎて進めないこともしばしば。よくわからない入り組んだexcelファイルもあれば、MacではUIが壊れてしまう書類とかも。
日々、苦戦しています。
クリニックって、医療機関ですけれど、一つの会社のようなもの、でもあります。
つまり、医師でありつつ、会社の役員のような感じ。
開業する前には、このような仕事がどれくらい大変なのか、あまり分かっていませんでした。
勤務医のころには、誰かがしてくれていた
考えてみれば、勤務医のころにも、同じような事務仕事は、たくさんあったはず。でも、誰かがやってくれてたんだな、と。今になると分かる、そのありがたみ。
すなわち、給与を計算する人がいて、経理をする人がいて、設備を管理する人がいた。それは、医局の秘書さんであったり、私の上司の先生だったり、と思うのです。
勤務医として病院で働いていると、その多くを意識することはありませんでした。無意識でした。封筒を1つ送ることすら、誰かがやってくれてました。
大学で働いていた頃。若手だった私が診療や研究に集中できていたのは、見えないところで多くの人が、若手のことを思ってくれて、何も言わずに、そーっと、仕事を処理してくれていたんですよね。開業してから、すごくよく分かるようになりました。
秘書さんがいること、先輩がいること、というのは、とてもありがたいです。
本当は、もう少し医学に時間を使いたらなあ、と
こうした事務仕事も、クリニックを続けていくためには必要です。
お金の管理も、職員の勤務管理も、各種アンケートも、「重要ではない」わけではありません。
ただ、やっぱり、20歳の頃から、「医学」について勉強してきて、それを半分趣味のように思っていて、かつ、仕事になっているので、やっぱり、「医学」に使う時間をできるだけ確保したいなあ、と思っています。
新しい病気、治療について勉強したり、論文を読んだり、日々の診療で「もう少し良いやり方はないか」と考えたり。
外来業務についても、患者さんへの説明をもっと分かりやすくできないか、短縮できないか、職員が早く帰れないか、と考えたり。
誰もいない、暗くなってきた土曜の午後、領収書を一枚ずつスキャンしながら、ときどき「この時間をもう少し短縮できたらなあ」と考えるのです。
事務仕事を減らせたら、みんなハッピーになるのでは
最近、経理関連の事務作業について、もっと効率の良いやり方がないか考えるようになりました。
経理関連の仕事。一つ一つは小さな作業なんですけれど、いつも締め切りギリギリに一度にやることになることが多く、苦労します。
同じようなファイルが多いと、スキャンしたのかしてないのか、わからなくなってしまうことも多いです。なので、できるだけ自動化できないか、色々考えています。
データと紙と2つあるものは、データだけで管理する。スキャンしたファイルの名前を同じような名前にする。保存場所を月単位にする、スキャンした紙は、「スキャン済み」ボックスに入れる。
こうすることで、30分でも1時間でも時間を節約することができないかな、と。
実は、既に何回も挑戦しています。そのたびに新しい気付きもあって、修正して、とやっています。「実は、何も対策しないほうが、結局早いのでは・・・」、と思うこともあります。
でも、いつか、ワークフローが完成したら、一気に時間短縮できる日が来るはず。
そんなことを考えながら、昨日も領収書をスキャンして、Macでファイル操作していました。
今のところ、事務作業の適正化にはもう少し時間かかりそう。来年には、もう少し早く作業が終わって、帰れるようになれば、と思っています。
