薬剤耐性と抗生剤について
2021年6月15日
こんにちは!
今日は少し難しい話。抗生剤についてです。
熱出たら、抗生剤飲んでいいですよね?
「熱が出てしんどそう・・・病院に行って、抗生剤もらってこよう」
ちょっと待って下さい!それ、もうあまり通用しないかもしれません。まず、抗生剤って、熱を下げて元気になる夢のような薬じゃないんです。
「○○病院に行っても、抗生剤くれなかった。だから熱が下がらなかった。」とか、「〇〇病院に行ったら、抗生剤たくさんくれた。だからすぐに元気になった。」とか、かつてはよく聞きました。うーん、でも、その抗生剤、本当にいるのかなあ?って思います。
この1か月ほど診療していますが、実はわたし、ほとんど、抗生剤を処方してません・・・
えっと、、抗生剤はウイルスには効果ありません。かんたんに言うと、かぜには効きません。それどころか、抗生剤を飲みすぎていると、薬(抗生剤)が効かないとても強い細菌が生まれてしまうかも?!
それが、薬剤耐性 Antimicrobial Resistance (略して、AMR) なんですよね。
いろんな薬に耐性がある細菌(薬剤耐性菌)が増えると、死亡者数は増えてしまいます。
薬剤耐性を防ぐには?
小児専門病院などでは、色々対策が取られ始めているようです。なので、外来で抗生剤を処方する割合が下がってきているようですよ。
だから、病院ではなく開業医やクリニック(一次医療施設)で、抗生剤が適正に使用されているのか、検討が必要、と言われているんです。
参考
- 薬剤耐性(AMR)対策について・・・厚生労働省のホームページ
- AMRとは・・・AMR臨床リファレンスセンターのホームページ
- 風邪に抗菌薬は効きません・・・AMR臨床リファレンスセンターのホームページ
- 抗菌薬適正使用に関する日本小児科学会の考え方・・・日本小児科学会のホームページ
- 小児における薬剤耐性菌対策と抗菌薬適正使用・・・日本小児科学会雑誌 125巻4号